離乳食後期は手づかみ食べにトライ!かつお節をちょい足して楽しい食体験を

離乳食後期(9~11カ月頃)は、いよいよ3回食となる頃。
家族で「おいしいね!」と声かけしながら楽しい食の体験を増やしたい時期です。
食べ物に興味を示し、離乳食に手を伸ばしはじめる赤ちゃんもいます(注1)

かつお節は、もう少し食材を足してあげたいときにサッと使えて、味や食感に変化をつけられます。
そこで、かつお節がおすすめの理由、取り入れるポイントについてお伝えします。

1.離乳食後期は、どんな時期?手づかみ食べの必要性って?

離乳食後期に入ると、歯ぐきでつぶせる固さのものが食べられるようになり、1日2回だった離乳食は、1日3回食へと移行していきます。
食べ物に興味を示し、手でつかんだり、ぐちゃぐちゃとかき回したりと、一見、口に入れる前に遊んでいるようにも見える“手づかみ食べ”も盛んになる頃です。手づかみ食べは赤ちゃんが自分で食べるための第一歩。食べ物の温度や固さ、握る力加減や一口の量などを覚えていきます(注1,2)。できる限り大らかに見守り、食べる意欲を育ててあげましょう。

2.離乳食後期にかつお節をちょい足し!おすすめ4つの理由

包丁・加熱要らず!パパっとかけるだけで栄養(※)とおいしさをプラスできる「かつお節」は、離乳食にもおすすめです。
(※)ここでいう栄養は、たんぱく質をはじめ、9種類の必須アミノ酸や、DHA・EPA、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンD、鉄分を指します。

1:成長期に必要な栄養をちょい足しできる
離乳食後期は、1日に必要な栄養量の半分以上を離乳食からとるようになるので、より栄養バランスを意識したい時期です。ビタミンDや鉄分が不足しやすい時期のため、これらが含まれる食材を積極的に取り入れることが推奨されています(注1)

かつお節の主成分は、赤ちゃんの血液や筋肉、内臓などを作る大切な「たんぱく質」です。
また、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンD、鉄分など、赤ちゃんの成長に役立つさまざまな栄養素が含まれています(注3,4)

2:薄味でも、おいしい
赤ちゃんは腎臓機能が未発達のため、薄味が基本です。そこで役立つのが、「かつお節」です。うま味成分「イノシン酸」を豊富に含み、料理にちょい足しするだけで、食材の持ち味を引き出し、薄味でもおいしく味わうことができます。

3:ほかの食材と組み合わせやすい
かつお節やかつお節からとったかつおだしは、野菜や肉、魚など、いろいろな食材と相性がよく、味を一つにまとめてくれます。さらに、野菜の青臭さや苦味を抑えてくれるので、多様な味や舌触りを経験させたい離乳食後期にもおすすめです(注5)

4:手軽に魚を取り入れられる
かつお節は、骨取りの手間を気にせず、離乳食に魚を取り入れられるメリットがあります。また、魚臭さが少なく、常温保存ができ、少量から使用できる点も魅力的です。

3.離乳食後期にかつお節を与えるときのポイントは?

離乳食後期は、歯ぐきでつぶせる固さのものを与えます。
まだ歯が生えそろっていないため、粉末状のかつお粉や花が小さい「かつおパック」を使用するのがおすすめです(注1,2)。さらに、かつおパックの花を細かくしたい場合は、袋ごと手で揉みほぐすとよいでしょう。

<かつお節の保存について>
スーパーで売っているかつおパックは、冷暗所で常温保存が可能です。ただし、開封後は冷蔵庫で保管し、早めに食べきるようにしてください(注6)
また、かつおだしは、大さじ2ずつ清潔な製氷皿に入れ、ラップをかけて冷凍する方法があります。
使用する際は必ず鍋や電子レンジで加熱して解凍してください。また1~2週間を目安に使いきりましょう。
※目安の期間内であっても味やにおいに異常を感じられたらご使用をお控えください。

<かつお節の塩分量について>
ヤマキのかつお節のパック(2g)の塩分量は、ごくわずか。生後6~11カ月の赤ちゃんの1日当たりの塩分摂取量の目安は1.5g程度とされているので、普通の食事で使う分には、心配のない塩分量と言えます(注4)

<かつお節と食物アレルギーとの関係は?>
かつお節は、食物アレルギーを引き起こす原因になることはほとんどないとされています(注7)。しかし、はじめて与える食材はかつお節に限らず少量から様子を見ながらあげましょう。アレルギーを引き起こした場合でもすぐに受診できるよう、医師や病院が対応できる時間帯がよいでしょう。

4.かつお節で手づかみ食べを楽しく、おいしく

「かつお節」は、手づかみ食べのサポートにもおすすめです。
離乳食にかけたり、混ぜたりすることで風味をプラスし、赤ちゃんの「食べたい!」を刺激します。
余分な水分を吸収してくれるので、食べ物のべたつきを抑えてくれる点もメリットです(注8)。例えば、おにぎりにまぶすと、ごはん粒が赤ちゃんの手につきづらくなります(注9)
手づかみ食べのポイント・料理例をご紹介します。

<手づかみ食べのポイント>
赤ちゃんが食べ物に手を伸ばしはじめるようになったら、手でつかみやすいものを1品用意してあげましょう。前歯で噛み取る練習をしながら一口量を覚えていくため、一口よりも大きい形状のもの(スティック状や小判型など)を与えます。小さすぎたり、やわらかすぎたりする場合、丸飲みしてしまう可能性があるので注意しましょう(注1,10,11)
また、こぼしたり汚したりしてしまうことがあるので、食事の際は椅子の下に新聞紙やビニールシートなどを敷いておくと、食後の片付けが楽になります。

<おすすめの形状・料理例(注1,10,11,12)
・スティック状にする
やわらかく茹でたにんじん、大根などを赤ちゃんが握ったときに少しはみ出るくらいの長さのスティック状にカット。
・小判型(焼き固める)
お焼きやハンバーグなどは赤ちゃんが手に持てるくらいのサイズに。
・ボール型(丸める)
赤ちゃんが手でつかめるサイズのプチおにぎり、かぼちゃ、いも類の茶巾など。
・はさむ
ペーストにした野菜などを赤ちゃんが手でつかめるくらいのサイズのパンにはさむ。

<かつお節をプラス!おすすめ手づかみ食べ3ステップ(注1,10,11,12,13)
はじめは、持ちやすいスティック状から徐々に小判型、ボール型へと慣らしていくとよいでしょう。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。対象の月齢、食材のサイズは目安です。お子さんの様子を見ながら離乳食を進めてください。

ステップ1:かつお節×スティック状:野菜スティック
1:野菜(にんじん、大根など)は、1㎝角、7㎝程度の長さを目安にスティック状にカットします。
2:かつおだしで、食べやすい固さに茹でたら完成です。
かつお節をお茶パックの袋に詰めて、野菜と一緒に煮ても、だし取り不要で、野菜がおいしく仕上がります。

ステップ2:かつお節×小判型:青のりいもモチ
1:じゃがいもは、一口大に切ってやわらかくなるまで茹でます。
2:熱いうちにマッシャーですりつぶし、片栗粉、青のり、かつお節を入れてよく混ぜ合わせ、幅5㎝、厚さ1㎝程度の小判型にします。
3:薄く油をひいたフライパンで両面焼き色がつくまで焼いたら完成です。

ステップ3:かつお節×ボール型:プチおにぎり
1:軟飯は、直径2.5cmくらいを目安に、丸めます。
最後に、粉状やかつおパックを袋ごと手で揉んで細かくしたかつお節をまぶしたら完成です。

手づかみ食べは、「自分で食べたい!」という意欲の表れです。
上手になると、だんだんスプーンやフォークも持てるようになります(注11)

かつお節は、栄養(※)とうま味をプラスするだけでなく、料理のべたつきを防いでくれるなど、手づかみ食べのサポートをしてくれます。
ぜひ、かつお節を取り入れて、手づかみ食べにもトライしてみてくださいね。
(※)ここでいう栄養は、たんぱく質をはじめ、9種類の必須アミノ酸や、DHA・EPA、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンD、鉄分を指します。

この記事を読む方におすすめ!
▶︎離乳食初期にかつおだしを使うには?だしの取り方と活用方法を紹介
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202207_rinyushoku_shoki/
▶︎ママパパと赤ちゃんの強い味方!
かつお節を離乳食中期に取り入れる際の上手な活用方法をご紹介
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/2010_rinyushoku_chuki/
▶︎離乳食完了期にも「かつお節」が活躍! 大人の食事から取り分けるレシピもご紹介
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202305_rinyushoku_kanryouki/

この記事の監修者

横川仁美(よこかわひとみ)

食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
管理栄養士×お味噌汁レシピ研究家

管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。
現在は、コラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。